※この記事は【社内プレゼン3ステップシリーズ】の1回目です。
全体を通して、「伝わらない」を脱するための実践ステップを段階的に紹介しています。
▶ 【第1回】プレゼン構成のコツを知る
▶ 【第2回】ストーリーボードで伝わる設計を
▶ 【第3回】伝わる話し方・語彙100選
続きも気になる方は、ぜひブックマークを。

社内プレゼンをするには、まずは何から始めればいいのだろう
社内プレゼンの資料の構成にコツってあるの?
社内プレゼンの資料の例ってどうやって収集すればいいの?
こういった疑問に答えます。
- プレゼンのストーリー構成の組み立て方
- 資料作成よりも重視してやること
- 社内プレゼン準備で参考になる書籍紹介
この記事を書いている私は、社内プレゼンは「俺のアイディア、聞いてください!」と伝えるステージだと思っていました。
しかし、いくつかの書籍に出会い、それがとんでもない勘違いだったことに気づいたのです。
今回は、自己満足なプレゼンをしていた過去の自分に向けて「社内プレゼンのコツ」をまとめていきます。
まずプレゼン構成を設計しよう
よくある失敗が、「さあ、プレゼン準備だ!」というときに、いきなり「パワーポイント(パワポ)」を起動してしまうことです。
プレゼン資料を準備するのって、孤独ですよね。焦る気持ちもわかりますが、いったん「パワポ」は閉じましょう。
いきなり資料を作り始めると、高い確率で手戻りが発生し「あなたが残業するハメに」なります。経験者の私が断言しますw
まずやるべきなのは、「情報の整理」です。
「マインドマップ」を活用しながら、社内プレゼンに必要な「4つの項目」を洗い出していきましょう。
- なぜ、あなたの企画が必要なのか?
- どういう提案か?
- どのように実現するのか?
- 何をお願いするのか?

この4つの見出しに関して、あなたの企画をドンドン書き込んでいきましょう。
マインドマップの作成ツールは、無料で使える多機能な「XMind」をおすすめします。
無料で使えるマインドマップソフト「XMind」
できる事なら、このマインドマップの段階で「プレゼンの依頼者」に見てもらうことをおすすめします。
第三者の目線を取り入れることで、早い段階の軌道修正ができるようになります。
社内プレゼンのルール
あなたは、上司から「この前のアイディア、役員の前で説明してくれるかな。簡単に5分くらいの資料でいいからね。」
そんな一言から資料作りが始まったのではないでしょうか?

よっしゃ、5分間あればアイディアを伝えられるぞ!
そう思ったあなたは、「黄色信号」です。
なぜなら、社内プレゼンでは「アイディアを紹介する」だけがゴールではありません。「決裁者に何をして欲しいのか」まで伝える必要があるからです。
社内プレゼンの暗黙ルールとして、次の点を押さえておきましょう。
- 「聞き手のメリット」は何かを伝える
- 決裁者に「何をして欲しいのか」を伝える
- 3分で説明できるように情報をギュッと凝縮する
- 質疑応答用に補足資料(アペンディックス)を準備する
決裁者の「心」と対話しよう
マインドマップで情報が整理できましたか?
それでは次に、「ストーリーの組み立て」に取り掛かります。
社内プレゼンのストーリーを組み立てるコツは、決裁者の「心境の5ステップ」を知っておくことです。
- その企画、聞く価値あるんだろうね。
- ほう…、じゃあ、聞いてみようか。
- どうやって実現するの?
- 会社に(私に)メリットあるの?
- 会社に(私に)何してほしいの?
それでは、1つずつ掘り下げていきます。
聞く価値あるんだろうね。
ここで残念な前提をお話しします。
それは、あなたのプレゼンを楽しみにしている聞き手はいないということです。
この前置きを受け入れたうえで、社内プレゼンでのあなたのゴールは「決裁者に強い欲求を起こさせ、行動させること」です。
いかがでしょうか?ワクワクしてきませんか?

ワクワクだと・・・?しませんね。
ま…まずはこのゴール達成のために、冒頭の「つかみ」の部分に神経を集中させましょう。
最初にやることは、聞き手に「プレゼンを聴く目的」をハッキリさせることです。
イメージするならそう、ユーチューバーの動画の冒頭部分です。
「この動画では”1分でわかる親子丼の作り方”を紹介していきます!それでは始めましょう!」みたいなキャッチなつかみ。
この一言を聞いただけで、その動画を観終わった自分がどうなっているか、想像できるのではないでしょうか?
プレゼンの冒頭にもこのテクニックを使うワケです。
最初のセリフを聞いた瞬間に、決裁者が「むむ!これは自分に関係ある話だな」と興味を思ってもらえるかが、成功のカギになってきます。

ほほう…。それは興味深い話ですね。
そのために、「どうしたら決裁者の共感を得られるか」を調査しましょう。
しかしながら「相手の要望を知る」と言っても、直接話す機会など無いかもしれません。
そこで、決裁者の視点に変えるアイディアとして、2つの切り口を用意しました。決裁者が食いつきそうなプレゼンの切り口を探しましょう。
「As-is」と「To-be」から探る
会社や部門の経営計画からヒントを得る方法です。会社のあるべき姿に対して、現状はどうなのか、状況や課題を分析してみましょう。
・As-Is = 現在の姿
・To-Be = 理想の姿
理想と現実のギャップを埋めるために、何が原因でどのような対策が必要かを書き出していきます。
現在の状況を把握するためには、次のようなフレームワークが活用されています。
・3C分析・・・「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」
・SWOT分析・・・自社にとっての「強み・弱み、機会・脅威」
バランススコアカードの4つの視点から探る
聞き手に対して、この企画がいかに重要なのか、早く手を打たないとどうなるのかの問題意識を持たせましょう。
現場の目線だからこそ、気づけるポイントがあるのです。
- 財務の視点(売上・原価)
- 顧客の視点(リピート率、評判、顧客アンケート)
- 業務プロセスの視点(残業時間、従業員1人当たりの売上)
- 学習と成長の視点(情報共有・技術力アップ)
じゃあ、聞いてみようか。
決裁者が話を聞く準備はできましたでしょうか?
ここで、いよいよあなたの企画の説明です。
提案をする上で重要なコツは「論理的な説明」であることです。
論理的とは、難しくとらえることはありません。「あなたの提案に理由を付けましょう」ということです。
「論(主張や提案)」+「理(理由・根拠)」のセットで説明しましょう。
例としてはこんなイメージです。
その理由は3つあります。1つ目は、□が△になるからです。2つ目は・・・
なので、○○○を実施するのです。
その効果として、・・・になることが見込めます。
プレゼンに説得力を持たせるために、客観的な数値・研究論文・調査結果を用いるのが効果的です。
その時にやってしまいがちな失敗は、「ネットで拾ったグラフ画像をそのまま利用する」ことです。
これだと、重要な情報が小さくなったり、ゴチャついた資料になったりしてしまいます。
スライドに小さな文字やグラフがビッチリ表示されてきたら、決裁者も疲れてしまいます。

…わたしに、この資料を読み解けというのかね?
面倒ですが、決裁者がぱっと見てわかるように、シンプルなグラフ資料に作り替えましょう。
「伝わるグラフ」のコツは、下記のサイトが参考になります。特に「右脳」と「左脳」を考えたレイアウトづくり。これを使わない手は無いです。
(外部サイト)ソフトバンクでも活用の「社内プレゼン術」(2)「10秒でわかる」グラフ作成テクニック10連発!
それって会社(決裁者)にメリットあるの?
その企画を実現することで、決裁者にどのようなメリットがあるのかを応える場面です。
このメリットが伝わらないと、

まあ、それは分かるんだけどねぇ。
で終わってしまいます。
決裁者のメリットは、次の視点を取り入れるのがコツです。
- 会社にどれだけの利益が出るか
- 会社の経営理念に沿っているか
マインドマップの段階で、この企画を実現することで得られる「決裁者のメリット」をできるだけたくさん書き出しましょう。
そして、その中から訴求力が高い「上位3つ」を伝えるのです。
具体的な数字を交えながら、決裁者にくっきりとメリットをイメージしてもらうことがコツです。
どうやって実現するの?
どんなに素晴らしいアイディアでも、実現の可能性が低いと絵に描いた餅になってしまいます。
決裁者がイメージしやすいように具体的な数値を交えて説明しましょう。

それって、本当にできるの?
この場面では、具体的な実行方法を説明します。
ターゲット / スケジュール / 資金 / 人員 / 目標 / ゴール
実現可能性を説明するコツは、「決裁者の疑問を先回りして答える」ことです。
あなたの企画がどれだけ優秀でも、役員たちは「そう計画通りにはいかない」ということを知っています。
静かに聞いているようでも、内心では「おいおい、それって大丈夫?」というポイントはあるものです。
「プランA」だけでなく、「妨害されそうな事案」+「プランB」も用意しておきましょう。
決済者の不安に先回りして答えることで、「あなたの本気度」をアピールすることができます。
プレゼン時間も限られています。すべての疑問をシナリオに組み込むことは現実的ではありません。
プレゼン資料の巻末資料を用意しておき、質問に備えましょう。
会社に何してほしいの?
決裁者に起こしてほしい行動を伝える部分です。ここが伝わらないと

はい。いい話でしたね。おつかれさま。
の一言で終わってしまいます。
プレゼンを聞いた後に、決裁者が何をすればいいのかを具体的に伝えましょう。
- 基本的な方向性に合意して欲しい
- 人員を確保してほしい
- 予算を出してほしい
プレゼンのゴールを欲張りすぎない
あなたの企画は、たった5分のプレゼンを聞いただけで「わかりました、承認します」となるでしょうか?

えっと導入に2億円ですね。承認のハンコ、押します。
Σ(゚Д゚)スゲェ!!
さすがにゴールを欲張りすぎです…。
「承認を得る」よりも「これから話を進める事に基本合意を得る」レベルのほうが現実的な場合もあります。
企画の規模に応じて「あなたのプレゼンのゴール」を設定しましょう。
資料作成よりも重視してやること
参加型のプレゼンで聞き手を巻き込む
プレゼン後にまとめて質問を受け付けるのではなく、発表中に質問を受け入れる場面を作りましょう。
なぜなら、参加型のプレゼンにすることで、「一緒に課題に向き合う雰囲気」を作れるからです。
「おいおい、そんなこと言ったら質問だらけでプレゼンできなくなるよ!」と心配ではありませんか?
確かにスライドごとに質問に答えてばかりいると、時間がいくらあっても足りません。
おすすめは、話題が切り替わるポイントで「ここまで、よろしいでしょうか?」と、ひと呼吸入れる場面を作ることです。
質問が出るのは、「あなたの提案をもっと知りたいから」です。1つずつ腹に落ちて聞けることで、その後の説明にも耳を傾けてもらえるでしょう。
一方的に話して「質問があれば最後に」の形式は、あなたにとっては練習しやすいと思います。
しかし、あなたと聞き手との間に「心の距離」ができていることに、最後まで気づけないのです。
想像してみてください。あなたの説明が終わった後に、「質問なし・無表情・無反応」の役員室。ぞっとしませんか?

こういったプレゼンにならないように、一か所でもいいので「参加型のプレゼン」を演出してみましょう。
スマホ録画で自分をチェック
自分のリハーサルの様子をスマホなどで「録画」することをおすすめします。
撮影した動画から得られる気づきは、声の速度や間の取り方だけではありません。あなたの目線、表情やゼスチャーも客観的にチェックすることができます。

例えば、身振りを加えて「右肩上がりです」なんて仕草をしたときに、相手から見ると「右肩下がり」になっている事に気づくのです。
最短バージョンも用意しておく
本番では前のプレゼンターの発表が長引いてしまい、あなたの持ち時間が「1分しかない」ということもあるかもしれません。
仮に1分になった場合でもすぐ対処できるように30秒~1分の「要約バージョン」も用意しておくことをおすすめします。
プレゼンの“型”は分かった。でも──それだけでうまく伝わる気がしない…?
次のステップへ進むあなたへ
「構成の型」が見えたら、次は“伝える順序”そのものを見直すタイミングです。
▶ 【第1回】プレゼン構成のコツを知る(この記事)
▶ 【第2回】ストーリーボードで伝わる設計を
▶ 【第3回】伝わる話し方・語彙100選
「何を」「どう並べるか」で、相手の反応は驚くほど変わります。
伝えたい内容を“頭の中から引っ張り出す”ストーリーボード設計を、一緒にやってみませんか?

